和解離婚

和解離婚とは離婚訴訟中に、双方が歩み寄り、裁判所の判決以外の方法(和解)で離婚する方法です。
審理を繰り返す中で、裁判官より和解を促す「和解勧告」が行われるケースもあります。調停が不成立になり、離婚を求めて訴訟を提起します。
その後、裁判官が判決を出すために、訴えた方(原告)と訴えられた方(被告)の言い分(主張)を聞いて、原告と被告が提出した証拠に照らしてどちらの主張が正しいかどうかを決めて、結論を出します。
これを判決といいます。

 

和解離婚になる流れ

rikon.jpg離婚訴訟では、裁判所が、法律上定められた離婚の原因があるかどうかを審理して判決を出します。
判決で離婚することが決まった場合の離婚を「裁判離婚」といいます。

ただし、調停が不成立になり離婚訴訟を提起したからといって、すべての案件が判決で終了するとは限りません
「訴訟上の和解」という方法で終了することがあります。
「訴訟上の和解」というのは、原告及び被告がそれぞれの主張を譲歩しあって、合意によって訴訟を終了させることです。

 

和解離婚とは

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離婚訴訟の場合も、「訴訟上の和解」で離婚することを決め、訴訟が終了することがあります。
「訴訟上の和解」で離婚することになった場合の離婚を「和解離婚」といいます。

これまでも離婚訴訟の中で、離婚することに双方が合意し「訴訟上の和解」で訴訟を終了させることがありました。

ただし、以前は「和解離婚」という方法がなかったため、訴訟手続で離婚することの合意ができた場合、双方が離婚届けに署名押印して協議離婚の方法をとっていました。

そして、離婚と親権者の指定以外の、財産分与、養育費、慰謝料などの金銭給付その他の条件については協議離婚届けに記載ができなかったので、これらについては「訴訟上の和解」という形をとっていました。

離婚訴訟が和解で終了する場合、裁判所が「和解調書」という書類で取り決めたことを記録に残すとともに、原告と被告が協議離婚届に署名押印するということも必要だったということです。

このようなことは手続きをいたずらに複雑にしていたため、平成16年4月1日に新しい人事訴訟法が施行され、裁判上の和解による離婚(和解離婚)が認められるようになりました。

 

和解調書の効力

「訴訟上の和解」により「和解離婚」ができた場合、「和解調書」という書類が作成されます。

和解離婚で離婚手続をする場合は,市役所等に提出するための「和解調書抄本」という書類を裁判所に作成してもらって、その書類と離婚届を作成して役所に提出します。
その際離婚届には相手方の署名押印は必要ありません。

また、「和解調書」は裁判所が出した判決と同じ効力を持ちます。
養育費を支払え、慰謝料を支払えなどの判決が出た場合、判決正本という書類を添付して裁判所に給料の差押さえ等強制執行の申し立てをすることができます。

同じように、養育費の支払いや慰謝料の支払いを内容とした和解離婚ができた場合、「和解調書正本」という書類を添付して強制執行の申し立てをすることができます。

 

以上が和解離婚の大まかな説明ですが、裁判官から和解勧告があっても、その和解勧告に必ずしも応じなければならないということではありません。

ただ、離婚訴訟では裁判所から和解勧告が出されるケースが多いです。

和解勧告とは?

感情的に納得できない内容であっても,和解勧告を受け入れたほうが得策というケースもあります。
訴訟が長引いた場合の精神的負担や、判決になっても和解の内容以上のものを獲得できない見通しのこともあるからです。

もっとも、和解を受け入れるかどうかの判断は万人共通のものではありません。

数学の計算のように、数字を公式に当てはめれば誰が計算しても同じ答えが出るというようなものではないのです。

ほとんどの場合「これが正解」というものがありません

皆様のケースで和解勧告を受け入れるのがいいのかどうか、専門家によって見解が異なることも多いのです。

もし、裁判所から和解勧告が出て、和解離婚するかどうか迷った場合、離婚訴訟を何件も手がけている専門家である弁護士に意見を聞いて、和解勧告を受け入れるべきかどうか決めるのが良いと思います。

皆様が相談された弁護士の見通しが正しいと信頼できるのであれば、その弁護士の意見を受け入れるのが良いと思います。

 

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